Jesu - Heart Ache
- アーティスト: Jesu
- 出版社/メーカー: Dry Run
- 発売日: 2004/08/30
- メディア: CD
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1 | Heart Ache |
2 | Ruined |
- M1―オープニングはヘヴィー・ドローンのような音の塊が重低音ドラムを引き連れて意識の中に飛び込んで来る。そこから5分くらいかけて少しずつ音の数は増えていき、それとともにますますヘヴィーでどろりとした世界観を広げてくれる。6分台から入ってくるコーラスは何処か宗教的な雰囲気を醸し出しているが、不思議とフューネラル・ドゥームのような不気味さはない。むしろ世界をセピアで塗り潰していくかのような心地よさを感じる。8分台からクリーンVo.が入っていよいよこれはダウナー系癒しの世界か。そんな中でドラムだけはドロドロと底辺を流れ続け、曲の印象を仄暗いものにしている。バックで刻まれるギターも何処か物寂しさを感じるものの、癒しと紙一重の世界を創り出し何とも不思議。最後の方はPorcupine Treeなどを髣髴とさせるモダンなプログレッシブ・ロック風。バッキングの中心を成すアコギが印象的でかなり癒される。
- M2―ピアノから始まる寂しげなオープニング。この曲もセピア色だ。これがJesuの色なのかも知れない。5分前後から突如としてヘヴィーで短いリフが繰り返され、思わず体が前後に揺れる。この辺りはまだまだGodflesh調か。単調なリフの上にこの曲もクリーンVo.が乗り、淡々とした重いドラムが底を支える。この曲のイメージは1曲目と比べてかなり荒涼としていて、湿って淀んだ空気のようなものを感じる。後半に向かっても重く、低く、仄暗く、湿っぽい雰囲気を漂わせていく。ギターの音が霧に霞んだ街に鳴り響く鐘のように心を撫でる。最後はまたもアコギによるリフの繰り返し。ルート音のビリビリとした響きがこれまた湿っぽい。
Godfleshを引き継ぐヘヴィーなリフとドラミング、プログレッシブな隠し味、全体を流れる湿った雰囲気、そして癒しの世界。気に入ったよJesu。これからも頑張って。