THE DOORS
- 出版社/メーカー: パイオニアLDC
- 発売日: 2000/02/10
- メディア: DVD
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60年代を代表する伝説のロックバンド、ザ・ドアーズ。そのヴォーカルであったジム・モリソンが仲間たちとドアーズを結成、スターダムにのし上がってから27歳で死に至るまでを描いた作品。ドアーズという存在、ジム・モリソンという人間が、60年代の頽廃を織り交ぜながら見事に描かれていると思う。
ポップスターとして崇められつつも、自分が伝えたいものと聴衆の求めるものとのギャップに苦しみ、アルコール、ドラッグへと耽溺していき、遂には命を落としてしまう。モリソンの苦しみが、彼が投げつける酒瓶の破片となって胸の奥に突き刺さってくる。他者から見た自己の存在の何と希薄なことか。大衆という大いなる渦の中に飲み込まれた小さな自己は、最早崩壊するしかないのか。感受性の鋭さは、諸刃の剣なのか。
また、私の中で死が蠢いた。ただ私は、未だ死という普遍には辿り着けない。余りに遠い道程だ。